白い朝
抵抗をしているような弾力で 吾(あ)に食べられてゆくスティックパン
NHK短歌7月号に、佳作で1首、載せていただきました。
今回も、加藤治郎さんの選で、<食べ物の歌>です。
食べ物の歌は、いくつかあったのだけれど
この歌がいちばん、気になっていました。
何年も前、体調を崩して、仕事を辞めて
ぽっかりとした気持ちの朝に、作った歌です。
雨の日の朝の静かなファンファーレ 携帯電話のアラームが鳴る
着信するものなくなってアラームの時のみ生きるわたしの電話
空洞のようなキッチン 流し込むココアの甘さに寄りかかる時間(とき)
抵抗をしているような弾力で吾に食べられてゆくスティックパン
カーテンを開ければそこに白い朝 世の中よりも少し遅れて
無意味に思える朝も、
短歌にすることで、なにか愛しくなるような気がしました。
思えば、いろんな場面で
短歌に、支えられてきたような気がします。
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