小鳥のいる部屋 -end-

   

   

     

飛び立てば飢えるのだろう鳥たちのまっすぐ空を見つめる瞳

   

   

   

捕まえることできなくて 背伸びしたままで届かぬ小鳥を愛す

   

   

   

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手のひらに小鳥はとても小さくて わたしの体の一部のように   

   

   

飛び立てば小鳥はとても大きくて 空のすべてと間違うほどに

   

   

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空を見つめる小鳥を見ながら

空に憧れないで、と秘かに思うー。

でも、同時に

まっすぐ空を見つめる小鳥を

まぶしくも思います。

   

手の中にいればとても小さいのに

ひとたび、飛んでしまったら

あの空ほど、大きくて

届かぬものになってしまう小鳥。

   

この小さくて大きな空の住人を

わたしはやっぱり

神さまの使者のように

感じてしまうのです。

   

   

  

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小鳥のいる部屋 -10-

   

   

     

優しくてきれいな心が飛んでくる

ふわーっと伸びるシャボンのように

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ロウマクとくちばしつなげばハート型なんて

ねえそれほんとに偶然?     

   

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小鳥のいる部屋 -9-

はる、なつ、あき、ふゆ。小鳥との1年。

   

   

     

鳥かごは春のふうりん 青空にゆれてだあれも知らない音色

   

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伸びてゆく芽を摘みとって摘みとって与える 歌う命のために

   

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目が合えばふわりと舞い降りてくるもの 神さま、小鳥、いちまいの葉

   

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明日の朝 生まれる卵があるような 小鳥の眠る部屋のやさしさ

   

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小鳥のいる部屋 -8-

   

   

   

木のなかに小鳥は眠る まんまるの月はやさしい夜のお日さま

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三日月に小鳥がまぶたを閉じるとき ひとりぼっちで揺れるブランコ

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小鳥のいる部屋 -7-

   

   

   

  眠りかけの小鳥にふうわり頬寄せて

  わたしこのまま樹になるように  

      

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今夜も寒いね

でもほら

ほっぺとほっぺをくっつけたら

ぽかぽかぽかぽか

春みたい

   

もしもわたしが樹だったら

いっしょに眠ってあげられるのに

   

       

                                            

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小鳥のいる部屋 -6-

   

   

   

ひときれのパンを与えられるように朝を迎える 小鳥も人も

   

   

朝はいつも新しい朝 小鳥らは光の粒でからだを洗う

   

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鳥かごのなかに腰かけ本を読む午後 静かに咲くチューリップ

   

   

換羽というしくみの不思議 むうちゃんは花びらのごと羽根を落として

   

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わたしより善く生きたのだ一日を

小鳥は食べて飛んで歌って

   

   

   

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小鳥のいる部屋 -5-

   

   

   

  抱きしめれば抱きしめられる心地して

  やさしい小鳥を手のひらに抱く  

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小鳥のいる部屋 -4-

まつげの長い、ルルちゃん。         

   

   

こんなにも違うからだに同じものあることの不思議 小鳥のまつげ

   

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音楽の好きな、むうちゃん。         

   

   

さえずればむらさき色に光る羽根 ショパンをマーチに変えてく小鳥

   

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小鳥のいる部屋 -3-

名づけ親は、8歳の姪っ子。

         

   

   

まんまるの目をしたももこがやって来て

「ブルーの子はルル。むらさきは…むう!」

   

   

ひな鳥は名をつけられてもう一度生まれる

「ルル」がひゅうひゅうと鳴く

   

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「今日飛べるようになったの」 鳥かごを揺らして歩く影のしあわせ     

   

はばたきを覚えてかごに入れられる小鳥 ちいさな羽根をたたんで

   

   

   

   

   

   

      

みずいろとふかいあおいろ それぞれに空と海との記憶を持つ羽根      

   

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小鳥のいる部屋 -2-

出会いは、オープン初日のペットショップ。

         

   

   

こんなにもきれいな空の下にいて 買い物客で混み合うお店

   

   

探してた小鳥ことり 神さまが落とした箱に眠るひな鳥

   

   

「水色と濃い青色の子をください」 指さして買うわたしの家族

   

   

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心という目には見えない体内に あの日いのちを授かりました

   

   

   

                            illust by  ふわふわ。り

   

   

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小鳥のいる部屋 -1-

   

   

   

  鳥を飼うことはリハビリ

  手のひらのインコが歌う明るい記憶   

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2003年10月23日

我が家に、2羽の小鳥がやって来ました。

父が倒れて、不自由な体になって

家の中が、しょんぼりしていた時でした。

   

久しぶりに見る小鳥。

手のひらの、小さないのち。

   

小鳥は、たくさんのものを

わたしたちにくれました。

明るい歌声、

きらきらした日課、

それから、小鳥と暮らしてきた

わたしたち家族の、幸せな記憶。

   

   

   

5歳のお誕生日おめでとう。

家族になってくれてありがとう。

「おめでとう」と「ありがとう」の気持ちをこめて

しばらく、小鳥の歌を載せたいと思います。   

   

  

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